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その夢では、ライザーは17の誕生日を迎え、ヴォルグ一族の当主となる1年前カウントダウンパーティーが開かれていた。今から30年前の話だった。
思い出したいような、思い出してはいけないような、そんな不思議な感覚に陥る夢。
ライザーは、その晩も同じ夢の続きを見ていた…
バルコニーへ出ると、やはり月明りに照らされたその女性が、今夜はこちらを見つめていた。
ライザー「…あの…」
**「…」
なんだか昨日とは様子が違う。とても悲しい表情をしているように見える。
ライザー「なにか、あったんですか?」
必死に言葉を探したが、こんな言葉しか出てこない。
**「私の名は『レイチェル』…貴方をずっと守ってきた者です…」
ライザー「僕を…守ってきた…?」
よく見ると、レイチェルと名乗った女性のドレスが、だんだんと深紅に染まっていくのが見える。
ライザー「これは!一体!!」
レイ「ライザー様…お気をつけください…貴方の命を狙う者がたくさんいます…」
そう言うと、ライザーの頬に手を添えて顔を包み込む。
レイ「きっと、いつか、貴方の元へ帰ってくる私を…見つけてください…きっとまた、貴方をお守りすることを望んでいます…」
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