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私たちに比べたら、ただの人間の命なんて短過ぎる
いくつもの輪廻を経て私は今ここに立っている。
もう学など、私には必要ないー…
はず、なのに!
「で、高柳。この問題の答えは?」
「…」
「…確かにお前は成績は良い。だが、なぜお前はこれほどに不真面目なのか!」
高柳祈世(たかやなぎきよ)
高校一年、女子
これが私の肩書き
『黒蝶憑き』
これが私のもうひとつの肩書き
いくつもの輪廻を重ね神々に従事する存在
そして『高柳祈世』が輪廻の最重点
この人生が終わると、私という魂も終わる
ようやくこのループから抜け出せる
この残された最後の人生が、今までの褒美
神々から解放され、この身に宿る蝶の加護を受け幸福な人生を送る
はずなのに。
「高柳!」
あぁもう!
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