エピソード5⃣     ―second daddy―

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その夜は随分と仕事が暇な晩だったなァ―、 たしか―、 オイラが、駅近くのガード下で屋台を出してる馴染みのマズ~いラーメンを食ってる時だった。 🎶🎶🎶🎶🎶🎶🎶🎵 急に!オイラの携帯が鳴ったんだよね! えッ? 電話は―、急になるもんだってかァ? あはっははははははは! ま~まッ、そんな固い事いうなよ… ちなみに、着メロはアンパンマンだぜ!  📲ピッ! 「ふぁい、もひもひ~。  鬼ふぁあらだ…!」 電話の相手は友人のフイリピン人の男だった。 「…ふん!ふん!ふん! え――ッ!何? 産まれるのォ? 分かった!分かった! 待ってろ!直ぐ行く!!!!」 「――産まれるゥって! 鬼チャン…赤ん坊かい?」 屋台のオヤジ、おカマの武ちゃんが、目んタマをまん丸くして湯気の向こうからオイラに聴く。 「悪いね、武ちゃん…! 残しちゃうけど―、オイラ行くよ!」 慌てて立ち去ろうとしたオイラに、武ちゃんが! 「あッ!おッ、鬼ちゃん! おッおおお、勘定! おかんじょう――!」 「あ―――ッ!全く~ 面倒くせ―なぁ~! たまにはタダにしとけよ」 「あたしには―、タマなんかァな―いのォ―!ざ~んねん! そういう訳にはいかないわよ!商売なんだから―」 「お前さんには―、 情けっちゅうもんは、 ねーのか…、鬼め! ほれ!千円!」 「お黙り!鬼は、そっちでしょッ!」 オイラは武ちゃんの罵倒を背にタクシーに乗り込むと、 セルを回しエンジンをかけると―、 ギアを、ドライブにねじ込んだ~瞬間!!! ドッカ――――ン! と、アクセルを床まで―、 ぶっ込んだァ――――!!!!! ! キリキリッ!キリキリッ!!! タクシーのタイヤは煙を吐き! 脱兎の如くすっ飛んだ!  
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