1⃣―宝くじ―

2/4
562人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
それは―、 ある、寒~い真冬の晩のことだ。 オイラは―、駅前のタクシー乗り場から若いOL風の客を一人、乗せた。 タンッ! と、いつもの様にオート・ドアを閉じて、 お客に行き先を聴き――、 ピッ! と、メーターを入れて車を走らせる。 ところがだ…、 あの、にっくき駅前の信号のヤツが、黄色から赤ら顔に、変色! オイラのタクシーは、仕方無く、国道を抜ける交差点の手前で停車を余儀無くされた…。 その時、である。 不意に―、 バックシートのお客が口を開いた。 「あの、運転手さん…」 「はい?」 「お話しを…、聞いても構いませんか?」 と、遠慮がちにいう。 「どうぞ、構いませんよ」 「あの…、 運転手さんは―、 宝くじ、なんか、買われることありますか…?」 と、聴いてきた。 『おおっと、来たね…』 こっちも客商売、この手の話題には、事欠かない…。 ましては、相手は若い女性だ…。 (多分、鼻の下がビロ~ンと床まで伸びてたかも…😌) オイラは―、 その話にノル事にした。  
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!