1⃣―宝くじ―

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「あ~、宝くじね―! まっ、たま~に、 ね…、ジャンボなんか買いますけどねェ―、 でも…、アハハ😃 当たりませんよね~~」 その内、信号が青になり、オイラはアクセルを踏む。 再び、車窓の明かりが流れだす。 チョイトと間があって、また、彼女がオイラに聞く―、 「運転手さん。 もし、当たったらー、どうされますか?」 「え~~、宝くじがァ?」 「ええ・・・・・」 「ん~、そうですねぇ~! もし、1等の1億円が当たったなら…、 キャンピングカーを買いますね!」 オイラは― 常日頃からそんな事を考えていたのだ…。 「キャンピングカーですか、――凄いですね」 「あはっははははは! それも、なんつーの デッカい!ヤツね…」 「でも、運転手さん。 お金はそれでも、まだ―、 余りますよね…」 「あ―、そうですよね~~大分、余るよねェ―」 その時――、 おバカなオイラは、 あたかも、その1億円を手にした気で――、 今にも鼻歌が飛び出しそうなくらい調子づいていたのだ…。 更に、オイラは―、 こう、つづけた。   「残りの、お金は、そのキャンピングカーにさぁ―、 ドッカ―――ン! と、積んじゃってェ―ね、 あはっははははははは! そのまま、旅にでも、出ましょうかね~!」 「うふっふッ! 豪快、ですね~! で…、 その旅は、どちらまで?」 「勿論!北ですよ! なんツったって北の方は――、 食い物がウマイすッからねェ~! の~~んびり! 全国、温泉めぐり―、 と、でも―、 いきますかねェ~」 「豪勢な…、夢ですね」 「そりゃ、そうですよォ! お客さん…。 そんなラッキーな話――、 あっても、 一生に一度、 有るか、無いかでしょう! 当然! パ――ッと、いきますよ!」 彼女は―、 クスッ! と、笑ってはくれたものの その後―、 黙りこくなり・・・・・、 タクシーは街外れの県道を走っていた。  
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