三章

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どこまでも続くであろう 澄み渡る薄青い秋の空は窓の外 閉ざされた部屋にはモニターを睨む野郎達の群れ 空気が重い 空気に重いも軽いもないが、そう感じるものは仕方がない いますぐ窓へと駆け出して窓という窓をすべて開放してやりたいが、それは無理 開ける前から視線が集中し、舌打ちが聞こえてくるのがわかる、昨日のように 「寒いから閉めてくれないか」 フラッシュバック 脂肪を何層も着込んでいるクセによくいう 目立たぬように席を立ち、軽く伸びをする 「なにか飲み物でも買ってきましょうか?」 「コーラ」 一人の男が振り向きもせず、独り事のように応える パリパリシャツだ どんな?と訊こうと思ったが、彼はバタフライナイフを躍らせるように携帯を取り出し何か話しはじめた 左手でペンをくるくる弄ぶ いつもキマっている 一度、脇の角度を定規で正確に測ってやりたい そういえばダイエットコーラを飲んでやがったな ダイエットコーラ… あれを飲んでもダイエットが出来るわけではない 「ダイエットしたいが出来ず仕方なく代わりに飲むコーラもどき」 と改名したほうがいいんじゃないか 長いな…じゃ ダコーラ で
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