1.ある雪の日に

2/6
前へ
/94ページ
次へ
基本的に人生というものは偶然的確率から出来ているものだと思う。 偶然的確率、というのは起こらない可能性もあるもの、という事だ。 逆に言えば起こる可能性もある。 つまり起こると起こらない、五分五分の確率がある訳だ。 そう考えると、今までの人生は奇跡の上に成り立っているものだと思う。 だって五分五分の可能性を延々と続けてきた結果が今の自分な訳だし。 …でも。 奇跡的確率というものはそれとは話が違う。 奇跡というのは起こらないのを前提にする話だからだ。 つまり何が言いたいのかと言うと。 「…どうしようかな、コレ…」 夜遅く、雪景色の近くの公園を通りかかったら少女が倒れてた…なんてフィクションの世界でしかないと思うシチュエーションも、奇跡的確率だと思う。 というか絶対無いだろこんなシチュエーション?! だが現実に目の前で少女は倒れている。 しかも近くに保護者らしき人どころか人っ子一人いなかった。 「どうしようかな…」 僕は溜息を吐くしかなかった。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加