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…里緒…
名前を呼んだだけで顔を赤くして…可愛い。
昔から里緒は変わらない。
俺が里緒に出会ったのは5才の時。近所の公園だ。
昔から俺は感情を表すのが苦手な子どもだった。
そのためか、大人にも気味悪がられ、一緒に遊ぶ友達も少なかった。
その日も一人で砂場で遊んで居たのだが…
「何してるの?」
ふと手元が陰り、上から声が降ってきた。
見上げると、可愛い女の子が清高の手元を覗きこんでいた。
「すごい!!ウサギさんだ~♪」
手先は器用で、今回はウサギの形を作っていた。
その子が喜んでくれたのが嬉しくて、いろんな形の物を作った。一つ作る度に驚き、喜んでくれる。
時間を忘れるくらい熱中して二人で遊んで居たのだが、しばらくすると、女の子を呼ぶ声が聞こえた。
「里緒~!帰るわよ~」
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