貴方との距離

接近

ち、近い…!!

狭い密室にこの近さ。意識するなという方が無理だ。

うわぁ…近いよ!!私今絶対顔赤い!!

さっきの勘違いもあり、余計ドキドキしてしまう。

そんな里緒の様子に清高は安心していた。

まったく意識されていない訳ではないんだ…と。

…今日はこのくらいにしておくか。
いじめ過ぎても嫌われそうだ。

「…綺麗だな」

そういうと、すっと里緒からはなれ、席に座り直す。

それからはあまり喋らず、景色を眺めていたが、お互いに距離が少しづつ近付いた20分間の旅になった。