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塾にもようやく慣れてきて、あれ以来あの先生に近付かないように避けていた。
何をされるか分からないもんな。
なるべく見えないような場所に座って、ただ黙々と勉強をしていた。
それを何日か続けられていたけど、とうとう見つかって…
「おお、久しぶり」
「…どうも」
関わりたくない。
わざと素っ気ない対応をすればどっか行ってくれるだろう。
「何だよ、ご機嫌ななめみたいだね~」
ほっといてくれ…
俺はイライラして先生に言ってやった。
「俺に話しかけないで下さい…」
「何怒っちゃってるの~。可愛いねっ」
「迷惑です。止めてください」
俺はお喋りするためにここに来たんじゃねえんだよ!
俺は「早くどっか行ってくれ」というのが顔に出ていたようだ。
眉を吊り上げ、先生を睨み付けていた。
「怒るな、怒るな。可愛い顔が台無しだぞ?」
「そうやって『可愛い』ばっか連呼して、俺を馬鹿にしてるんですか?」
もうイライラする。
「俺は勉強する為に来てるんです。邪魔しないで下さい。」
俺は先生は無視して勉強を再開した。
そうすると、先生は少ししょんぼりとした雰囲気で俺から離れていった。
…ったく、ようやく真剣に出来る。
あんな奴は先生だとも思いたくねえ!
綾小路めが。
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