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息をきらし、最寄り駅のホームまで着いた。 ちょうどやってきた電車に乗り込み、荒い息を落ち着かせようと必死になった。    そして、おもむろに唇を拭いた。 本当は口だって濯ぎたい…  あんなことをされて、屈辱感が涙として溢れそうになっていた。   でも、人前でなんか流せるわけない。 俺は下唇を噛み締めて堪えた。       さっきの綾小路の唇の感触も忘れるようなくらい       強く       強く      
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