《悪魔と少年》

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それは、とても綺麗な光景です。 出来るものならば、わちはあちと一緒に見たかったです。 わちはそのような思いを抱きました。 「やぁ。」 わちが星空を眺めている時でした。 突然、一人の少年が木陰から現れました。 白い翼を持った少年です。 「わちはお空を飛びたいの?」 少年は、わちに尋ねました。 「はい。 わちはお空を飛びたいです。」 少年は、無表情なまま、わちのことをジーっと見つめています。 「僕は人間になりたい。 だから、もう僕には翼は必要ないんだ。 君は真っ黒な翼を一翼持っているみたいだから、真っ白な翼を一翼君にあげるよ。」 少年はそう言うと、その場から去っていきました。 一翼の真っ白な翼を置いて。 そして、わちはその翼を食べました。 あちに会うために。 そうしたら、右側に白い翼が生えました。 あちと一緒です。 右手に光を、左手には闇。 わちは、あちに会うためにお空を飛びます。 異なった二色の翼で。 (動け) わちは、異なった二色の翼に命令しました。 だけど、翼は動いてくれません。 (動け) わちは、もう一度異なった二色の翼に命令しました。 やはり、翼は動いてくれません。 (何が違うのですか? わちも翼を手に入れました。白と黒の異なった二色の翼を) わちには、その答えが分かりません。 満天の星空の下、わちは佇みます。 異なった二色の翼を広げて。 月の明かりが、あちの元への先導に思えます。 思いとは裏腹に、全く動かない異なったニ色の翼。 わちは、あちに会えるためならば手段を選びません。 たとえ、それが誤った道だったとしても。 思えど、試せど、動かない翼。 あちと一緒なんです。 右手に光を、左手には闇。 だけど、わちは飛べません。
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