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そんな事にもはしゃぎながら、お互いの秘密を打ち明けては笑い合い時間は過ぎる。
そして、それは怜も同じだった。
順番が回ってきて、黙っている怜にみんなから
「ずり~ぃ」
「オレらも言ったじゃん」
催促の嵐
迷いもあった――
なぜなら――
みんなと違っていたから――
でも――
その場に流れる楽しい空気からか、怜も恥ずかしそうに口を開いてしまった。
「あのさっ…
清くんって居たでしょ」
清くん
それは怜の幼稚園の頃からの幼なじみ
ナニをするでも毎日一緒
遊びに行くのも、逆に怒られるのも
泣いて笑って
いつも怜の隣には清くんの存在があった。
「僕さぁ…清くんが好きだったのかも」
驚きの表情と共にツッコミが入る。
冗談だと思っているのだろう。
本当の事を言わそうと体をくすぐったりしながら聞いてくる。
「あははっ、止めてって
だって本当なんだよぉ
う~ん…
好きとかかは解らないけど
清くんに会いたいんだぁ」
小学校4年生の夏
別れは突然にやってきた―――
清くんが家庭の事情で遠くに引越す事になった。
誰よりも早くその事を聞いていた怜
でも僕には解っていなかった。聞いた瞬間、胸がザワザワした…でもそれは、しばらくして消えていった。
だって、それでもいつもと変わらない毎日が来たから…
僕の隣には清くんがいて♪
清くんの隣には僕がいて♪
引越すって聞いていたのに、毎日が楽し過ぎたから…
清くんが居なくなってから――
涙が止まらなかった――
毎日笑って、休みの日には家族で御出掛けしたりもして…
一緒にキャンプや映画も…
誕生日も毎年お祝いしてさっ
お泊まりなんかも何度もしたよねっ…
子供ながらにふざけあってキスしたりして♪
確かにあった現実が――思い出になり――記憶にかわる
その夜は、それで終わった。
告白大会は、いつしか思い出話にも似たモノに変わり、誰もが怜の告白を真剣には聞いていなかった。
事実、その夜の事が
学校で、
友達の間で、
話題になることは無かったのだから
あの日までは……
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