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灯りを消した部屋
その窓から差し込む
街頭の光
うっすらと照らしだされる外の世界
僕は
その世界とお別れするように
ゆっくりとカーテンを閉じた
これが
僕の世界
ここが
僕の全て
そこは
見渡す程もない…八畳ほどの長方形の箱
窓際にある、シングルベッド
ちょうどベッドと対角線上には勉強机、その上に置かれたノートPC
その机の脇には、本棚と小さなテレビ
真っ暗な部屋の中、無造作に床に置かれコンポから、青白い光が綺麗にひかっている。
少年は、顔を半分枕に埋める様に、ただその光をぼんやりと眺めていた。
ベッド脇からは、小さな目覚まし時計の針の音。
それに混じるように聞こえる
自身の息づかいと胸の鼓動
一定のリズム
その単調なリズムが、少年には心地よかった。
何も考える必要もなく
悩む必要もない
難しい事などなにもない
単純な世界
少年の意識は
次第に
この世界に墜ちてゆく
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