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「10代目、お誕生日おめでとうございます!」
「ありがとう、獄寺くん」
今日は10月14日、俺の誕生日だ。
前日の13日がリボーンの誕生日だった為に去年同様俺の部屋でリボーン主催のボンゴリアン・バースデーパーティーが行われた。
みんなで騒いで楽しかったと言えばそうなんだけど……
そのせいで、翌日の俺の誕生日は誰も覚えてなかった。
それはそれで寂しかったけど、獄寺くんだけは俺の誕生日を覚えていてくれていたんだ。
そして今、獄寺くんの家で二人きりで俺のバースデーパーティーをしてくれてる。
獄寺くんは去年も覚えててくれたんだよなぁ。
自惚れるつもりはないけど、きっと愛されてる証拠なんだと柄にもなく思ってしまう。
「10代目、これは俺からのプレゼントっす!」
そう言って渡されたのは10枚綴りになってる紙の束。ご丁寧に切り取り易いように1枚ずつに点線がついている。
そして、それらには手書きで『何でも命令を聞いて差し上げる券』とか書いてある。
…………これって
「獄寺くんが考えたの?」
「いえ、作ったのは俺ですけど……10代目に何を差し上げたらいいか山本の野郎に相談しましたら、日本ではこれが1番喜ばれるプレゼントだと聞いたので」
うん、発想は実に山本っぽい。
子供が親に作ってあげる「お手伝い券」の見事な応用だ。
俺も昔作ったなぁ…と、思わず懐かしんでしまった。
「どうですか!10代目!」
獄寺くんはキラキラと目を輝かせて俺の反応を待ってる。子供のような無邪気な笑顔が可愛くて、俺はつい吹き出してしまった。
途端、不安げな顔をする獄寺くん。
「……お気に…召しませんでしたか?」
「ううん、すごく嬉しいよ。ありがとう。大切に使うね」
笑顔でそう言ってあげれば再び満面の笑顔を浮かべて元気よく「はい!」と返事をしてくれた。
もう……なんで表情やら仕種やらいちいち可愛いんだろう。
俺の一言で一喜一憂する君を見ていると、つい意地悪したくなってしまう。
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