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「獄寺くん、これ早速使っていい?」
尋ねながら俺は10枚綴りになってる紙の1枚を切り取って獄寺くんに差し出した。
「はい!何なりとお申し付けください!」
あげた本人が貰った奴より嬉しそうな顔してどうするんだよ。
可愛いなぁ………
「セックスさせて」
「……………………は?」
俺の一言に獄寺くんがきょとんとしてる。
予想もしなかったんだろう言葉に思考が追い付かないようだ。
「だから、獄寺くんとセックスしたいの」
「………は!?え!!?」
再び、同じお願いを繰り返せば今度は理解出来たようで顔を真っ赤に染め上げて困ってる。
体は小さく震えて口は半開きになってて、随分困惑しているようだ。
「………だめ?」
「…………………っ」
俺が少しだけ獄寺くんとの距離を縮めて追い詰める。
じっと見つめていれば、獄寺くんは誰かに助けを求めるようにあちこちに視線を泳がせた。
でも残念でした。この部屋には俺と君の二人しかいないんだよ。
獄寺くんもそれに気付いたのか、観念したように俺に目を合わせてきた。
「……10代目の…お望みなら」
口を微かに開閉してから聞き逃してしまいそうな程の小さな声で肯定してくれた。
なんだか、強要してしまったようで少し心苦くもあるけど、このチャンスを逃すほど俺はお人好しじゃないんだ。
ごめんね?
「獄寺くん、大好きだよ」
「………恐縮です」
獄寺くんは真っ赤になった顔を隠すように俯いてしまった。
そんな仕種さえ可愛くて、俺は獄寺くんのおでこにキスをする。
俺はこれから獄寺くんに酷い事をする。
きっとたくさん泣かせて痛くして………君を壊してしまうかもしれない。
でも、それで君の心も体も全てが俺のものになるのなら構わないと
そんな酷い事を考えてしまった事は秘密にしておこう。
End
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