ガラス玉

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僕は甘かったのかもしれない。   絶対この幸せが崩れるはずがないって     助かるんじゃないかって…… でも、それは……     *+・゚ガラス玉゚・+*       海の見える小さな岡に小さな小さな病院があった。 【空色病院】   海の蒼さと空の青さが由来なのだろうか。 回りは青一色だった。 海の見える岡 耳を澄ませば、波の音が聞こえてくる。       ある日…海の見える岡を駆け上がる一人の男の子が居た。 ガタンッ……!!!   『凛―――…』   病室のドアを勢いよく開け一人の男の子がドアにもたれかかっていた。 「あ。藍粋……いらっしゃい」 ニコリと笑う彼女の笑顔が好きだった。     僕の彼女、滝川凛はある病気に犯されている。 よく知らない……けど、今の医療技術じゃ完璧には治らないんだって医者が言っていた。 東京の病院に行けばまだ設備もちゃんとされているはずなんだけど……   海が好きだから   そんな理由で此所から離れられないらしい。 おかしな事に僕はそんな彼女が大好きだった。 病室に行けば、海をバックに微笑んでくれる。 ただただ好きだった。 幸せだったんだ。    
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