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今日は三日振りに寝覚めが悪かった。最悪だ。
夢の中で私は大きな黒い犬を拾って、ベッドで一緒に眠っていた。
毛にくるまれたモフモフとした体を抱いて、横長の枕を一緒に使っていて。
夢から醒めた後、隣に犬が居ないかを確認する程リアルな夢だった。
居ないのが悲しくて私は泣いた。幼稚園児か私は。
涙は肌に良くないと言うのに。
嗚呼、あの犬の名前は何だっただろうか。名前なんて無かったっけ。
…そういえば今日はデートだ。
お気に入りの黒いワンピースを着よう。
最近買ったパンプスを履いて行こうかな。
金は幾ら持っていこう。男が奢ってくれるかな。
バッグでも買わせようかな。今のはもう飽きたから。
別にブランドの物じゃなくて良いや。あんまり興味無いし。
なんか私の人生歪んでるわね。今思ったけど。
人を傷付け過ぎたなー。この前も友達のユミ泣かせちゃったし。
まあ、あれはユミも悪いよね。二股してるのを教えてくれて無かったんだもん。
「彼女のアキでーす」
なんて、背の低い女の子紹介してくれちゃって。
「あれ?アイって名前じゃなかった?」
とかもう馬鹿。私の馬鹿。馬鹿丸出し過ぎる。
アイはもっと背高かったじゃん。
そのあとは私の所為で喧嘩になるし。
ファミレスが修羅場と化したね。
私は気にせずオレンジジュースとホットケーキ頼んだけど。
店出たあと泣きながらユミに平手打ちされたけどね。痛かった。かなり痛かった。
馬鹿な上に味覚も幼稚園児か、私。
…嗚呼、もう待ち合わせの時間過ぎちゃったな。
別に良いか。今日の相手は私と同じで馬鹿そうだったし。
ぼけーっとしながら待ってるでしょう。
さあ、デート兼お仕事に行こうかな。
バッグに短刀と着替えを入れて行こう。
バラバラにするならゴム手袋、埋めるなら軍手が必要だよね。
人を殺し過ぎたな、私。
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