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あの日はお互い自分の家に帰った。
冬休み中、何度かメールのやりとりはしたが、会うことはなかった。
学校のことを忘れて解放される、華の冬休みはあっけなく終わり、登校の日がやってきた。
アズサちゃんに来るのかどうかメールしてみようかと思ったけど、思い出させないようにゆっくりさせるのがいいかな、と判断してメールは控えた。
親に弱さを見せるのが昔から嫌いだった私は、相談は勿論、落ち込んだり、弱った素振りを見せたくないから家ではいつものように明るく振る舞っていた。
結構疲れるものだった。
「はぁ…」
家を出ると自然と出るため息には白い色がついていた。少し綺麗だ。
私は寒いのは嫌いだが冬の白は好きだ。
だけどすぐに消えていった。
冷えた指先を暖めながら学校に向かった。
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