苛立ち

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何もない街 田舎でもなく、都会でもない。 平凡な街に生まれた俺。 別に不満な訳じゃないけど… 何か分からないけど、 やりきれない… 友達とはそれなりに楽しく過ごしている。 それなりにモテ、何人かの女性とも付き合ってきた。 それなりに幸せで、別に何か不自由している訳でもない。 でも… 苛々する。 何か燃えない。 熱くならない。 平凡な日々は、 幸せだけど… つまらない… あぁ、    《イラツク!!》 最近は毎日こんな感じだ。 前々から 《何かつまらない》 って感じはあったけど、こんなに酷くはなかった気がする。 日に日に苛立ちが募って行く感じだ。 少し前に何処かで見かけたフレーズ。 古臭いけど何故か凄く惹かれた。 【眠らない街】 あれを見てからかな。 苛立ちが酷くなっていったのは… 誰もが感じる事なのかな? 何か物足りない… 無い物ねだりなの? この苛々や煮え切らない感じ。 みんな感じて、 でも気付かないフリして そうして過ごしてるのかな? それとも俺だけ… 考えると余計に苛立ちが増した… あの頃の俺は苛々してばかりだったね。 この苛立ちを押さえ付け、物足りない感じを見てみぬ振りをする。 それがきっと大人なんだ。 それがきっと大人になるって事なんだ。 それなら俺は… 大人になんかなりたくない… そう思ってた… それは今も変わらないかな。 ねぇ、こんな俺を君は 「子供だな」 って笑うかな… それとも、 「君らしいね」 って微笑んでくれるかな… 君はきっと微笑んでくれるよね… 君はきっと微笑んでるよね… 今も…  
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