苛立ち

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今年で16歳になった 高校には行っていない。 成績は学年でもトップクラスだった。 でも高校に行く気にはならなかった。 勉強は嫌いだったし、最初から行く気もなかった。 先生達は、反対した。 「将来のためにも」 って… 親は全く反対しなかった。 俺の事はどうでもいいんだろうな。 昔から、そうだった。 何をするにも反対もせず、かと言って賛同もせず… 自由と言えば聞こえはいいが、ただほっとかれただけ… 俺に対して全く興味が無いようだ。 「自分の事は自分で…」 が親の口癖。 まぁ別にいい。 その方が気が楽だ。 先生達の説得も空しく、俺は高校の受験さえも受けなかった。 後悔なんて無い。 「将来のために」 なんて言われても、この頃の俺にはピンとこなかった… て、感じで高校には行かず、バイトしながらそれなりに楽しくやっていた。 はずなのに… 最近は苛々しっぱなしだ。 別にやりたい事がある訳じゃない。 将来のビジョンなんて何もない。 夢や希望、何かしたい、なんて事もない。 けど… ただ… 理由なんてないけど 無性に惹かれる… 【眠らない街】 俺が子供だからなのか… 眠らない街=都会。 明るくて、夢や希望が溢れてて… 何か見つかりそうな… この苛々を解消してくれそうな… そんな気になる。 都会に出ればきっと… そう考えると、もう止まらなかった。 決めた!! 俺は都会に行く。 あの頃は、都会に行けば必ず何かがあるって思ってたのかな。 計画性も何もないよね。 でも後悔はしてない。 ねぇ、聞いてる? 君は昔の事あまり聞かなかったよね。 話したつもりでいたけど、今考えると話してない事も沢山あるね。 今日はいつもより少し、風がざわめいてるね。 少し寒いかな…  
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