並木道

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やっと着いた。 都会だ♪ 荷物は、着替えを入れた鞄一つ。 財布の中には、バイトでコツコツ貯めた30万。 まずは、仕事と住む所を探さないとな。 ………………………? ………………………? さすが都会… いきなり駅の中で迷ってしまった… 出口すらわからない。 『あの、すみません。 出口は何処ですか?』 駅員さんに、聞いてみた。 優しく、丁寧に教えてくれた。 都会の人は、もっと冷たいと思っていたから、少し安心した。 何とか出口に着き、目指すは、不動産屋だ。 不動産屋は、すぐに見つかった。 ………………………。 ………………………。 『はぁ、』 俺は、少し考えが甘いのかな… さすが都会だ… 家賃が高い… 予想以上に… そのうえ、敷金、礼金まで… 無理だ。 今の持ち金じゃ、どうにもならない。 心なしか、少し肌寒い気がした。 考えてても、状況は変わらない。 まずは仕事を探そう。 近くのコンビニに入り、求人の本を買った。 面接に行った… 5ヶ所も… 全滅だった… 都会に着いて、わずか数時間… 世の中の厳しさを痛感した。 《そんなに甘くないよな、当たり前だ。》 時間は夜の9時、今日はもう無理だな。 明日から、また頑張って仕事探そう。 お金を無駄遣いしたくなかったから、公園で寝る事にした。 さすが都会。 夜の公園も明るいな。 これなら意外と大丈夫だな。 まだ、来たばかり、やりたい事も何も見つかってない。 この位で諦めたりしない。 明日こそ…  
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