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目の前では大好きな兄がかすり傷を負って頭に包帯を巻き点滴が腕に刺されていた。
大声で呼びかけているとうっすらと目を開きこちらを見た。
「朔…,……て………。」
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途切れた意識と入れ違いに,朝を告げるアラーム音が鼓膜を刺激した。
「…………久しぶりに見たな。」
アラーム音を止めた人物は足元に蹴飛ばされたタオルケットを鷲掴みするときれいにたたみベットの上に置いた。
ようやく春がきたかと思えばあっという間に夏が訪れていた。
外からは心地良い小鳥の囀りが聞こえ朝の気だるい気持ちを和ませる。
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