第一話

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「おはよう朔。」 「あっ慶兄おはよ~。」 リビングに姿を現したのは兄の慶斗(ケイト)だった。 「もう少しで出来るから待ってて。」 慶斗は今年で23歳を迎える今話題のモデルだった。 カーテンを開け朝日を浴びる髪は金色の糸のようなきめ細やかさを持ち,女性が羨む絹のような肌をしていた。 「今日も良い天気だな。」 外を見据える切れ目の瞳は金に近い色をしていて朔と同じように睫が長かった。 欠伸をしてみせる口もどこか品が漂っていて,一つ一つの動作に見取れてしまうほど体のつくりも完璧だった。 現在187㎝と長身の慶斗は小学生時代スカウトされ,高校卒業と同時に本格的にモデル業に進んだのだった。
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