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「あっ今日の弁当は慶兄の好きなエビグラタン入ってるから。」
朔は自信満々にエビグラタンが敷き詰められた保温式弁当箱を慶斗に見せつけた。
ロケなどに行くとそこで弁当が支給されるのだが,慶斗は朔の弁当を毎日持っていっていたのだった。
「ありがとう。食べるのが待ち遠しいよ。」
そう言って嬉しそうに破顔する慶斗の笑みのせいで,またもや心臓が活発になり出した事に気付いた朔は慌てて弁解箱を引き寄せるとせっせとケースに詰めていった。
「朔。またネクタイ曲がってるぞ。」
「だってコレ難しいんだもん。」
男女ともにデザイン・機能性に優れた朔が通う学校の制服は,それが目当てで入学してくる生徒もいた。
朔がブツブツ文句を言っていると,慶斗が立ち上がりネクタイをなおしてやった。
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