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少年は、僅かな命を精一杯に生きようとしていた。
少年がいる部屋……否、牢獄に両手首を鎖で繋がれ腕を高く上げ固定されていた―――
少年は力なく笑った。
「ハハ……」
少年は自分の無力さを嘆く。
拳を弱々しく握ってみる。これでは何もできない、そうする力が全く残ってない。
(どうして、僕だけこんな目に遭わなければならない?)
全ては、あの父親のせいだ。あの父親から全てが始まった。
────────────
少年が牢獄に監禁されて3年間、少年はここから出ることなく、太陽の日に当てられることなく、過ごしてきた。
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