十七歳の誕生日

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  結局、その人に会いに行くこともなく、学校から帰ってきた。 夕食時、父親と母親、弟が全員そろっていた。 「珍しいね、お父さん  こんな早くに帰って  くるなんて」 目の前に並べられた豪華な食事に目移りしながら唯依が話しかける。 「明日、お前の誕生日だろ?  お前明日は夕飯あっちで  食べるらしいからな」 明日は国のパーティーかなんだかで、家族で祝う事が出来ないから、お父さんは帰って来たらしいが………… 別にパーティー帰って来てから祝えばいいんじゃないの? 疑問が唯依の頭に浮かぶ。 でもアバウトな性格なので、疑問はシャボン玉のように、すぐに消えてしまった。  
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