見えない光

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それから異常な生活が始まった。 『売春。』 姉が良くない事をしている。 体を売っている。 何となくは分かっていた。 だけど幼く知識の無い私は、今一つ、理解ができていない。 嫌悪感。 罪悪感。 いろんな感情が渦巻く。 だけど生きていかなくちゃいけない。 「ミユキ!ここ掃除しな!」 老婆に怒鳴られ、こき使われる毎日。 それをシラッと見ている少女達。 どうやら、ここでは私が一番幼いらしく、他の子はみんな『売り』をしていた。 「いいね、掃除だけで」 金髪の女がイヤミを言って出て行った。 何回か、こんな事があった。 日に日に、私は人間が嫌いになっていくのが分かった。 あのどす黒い感情が、少しずつ膨らんでいくのを感じていた。
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