見えない光

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そんな生活を半年程続けた。 私は14歳になっていた。 姉とは相変わらず。 理由を聞いてみたけど、「気のせいじゃない?」と言われ、それ以上聞けなかった。 また、普通に戻るだろうと思っていた。 「クミ!お客だよ!」 姉は老婆に呼ばれて、出て行った。 姉は、『クミ』と言う名が本名なんじゃないか…と思うほど、この生活に慣れきっていた。 窓から外を見ると、いつも通りのネオン。 本当はもう春で、桜が咲いている頃なのに。 この街では花びらさえ落ちてこない。
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