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―――オワリダ、ナニモカモ。
足元に大きな穴が空き、深く深くズドンと突き落とされる。
もうカメリアには戻れない。
最後くらい綺麗に終わらせたかったけど、最初から汚れた私には、これが身の丈に会った終わり方なのかもしれない。
店を辞めるつもりだった。
辞めて、仁科の元へ行くつもりだった。
明るい未来を夢見ていた。
「………雅、よく分かっただろ。人間の汚さが。
本当の俺達を知った奴らの反応なんて、こんなもんなんだよ!」
笑ってる恭平の過去を、私は知らない。
だけど晒された事が事実なら、私達は望んで選んだ道ではなくて、不幸な環境で生まれ育った。
こんなに憎まれ、そして自らも過去を憎み、囚われ、前に進もうとしても、進もうとしても打ち砕かれる。
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