5776人が本棚に入れています
本棚に追加
/756ページ
「――――ッ!!」
鮮明に声が聞こえて、意識を取り戻した。
勢いよく起き上がった私を、恭平が目を丸くして見ている。
「雅…?
どうかした?」
今日はカーテンが開いていて、窓から差し込む柔らかな光が私を照らす。
目に映るのは、灰色の世界ではなく、現実。
テレビ画面には、天気を伝えるキャスターが、嬉しそうに桜の開花宣言をしている。
まただ…。
またこのニュース。
この街に来た時の記憶が、津波のように襲ってくる。
最初のコメントを投稿しよう!