5776人が本棚に入れています
本棚に追加
/756ページ
割れた窓ガラスから冷たい風が入り、淀んだ空気が新しくなる。
部屋がめちゃくちゃに壊れていくのを、放心状態で見つめる恭平。
私の笑い声が不協和音のように響いて、力尽きたまま、冷たいフローリングにひざまづいた。
ガラスの破片が、突き刺さり、紅い血が滲み出る。
もう、いい…。
もう、苦しまない世界に行きたい。
何もかも、無くなればいい。
思い出も、痛む心も、私の未来さえも。
鋭く尖ったガラスの破片。
握りしめた時、恭平の叫び声が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!