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カメリアを辞めてから1年半近く過ぎ、私は23歳になった。
辞めた、というより、引きずり降ろされ、奈落の底まで堕ちた。
最後の記憶は、ガラスの破片で自らを貫こうとした時、恭平が私の名前を呼び腕を掴んだ。
恭平が私に向かって何か叫んでる姿は、ぼんやりと瞳の奥に残っているけど、イヤホンをしたみたいに、音声が何も残っていない。
気が付けば恭平の姿は無くて、変わりに救急隊員が数人、廃墟のような部屋に入って来た。
また意識が戻ると、病院の固い簡易ベッドの上、白く骨と皮だけの腕に刺さる点滴。
私は、入院を余儀なくされた。
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