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風が気持ちいい。
僕は船に乗っていた。
高速船『まる丸』。
ウケ狙いなのか?
よくわからないが、とりあえず前方に見える島へと向かっていた。
まだ昼過ぎで満腹なお腹の調子からか、もの凄く眠い。
船の揺れが揺りかごの役割を果たし、眠気はピークに近付いていた。
僕は外の空気が感じれる上の階の硬い座席に腰掛けたままウトウトしていた。
「お!まさかジュンか!?」
「ん?」
眠りを妨げる声。
声をかけてきたのは中年くらいの小汚いおやじだ。
「そのツラ、ジュンに間違いねぇ!?」
「誰だよおっさん。人違いだぜ」
「いんや!間違いねぇ!お前は俺を覚えとらんのか!?」
頭の中の記憶と照合してみる。
「………誰?」
検索結果なし。
「お前はボケとんのか?」
「う~ん」
頭の中でさらに絞り込む。
「タカさんか」
ようやく思い出すことが出来た。
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