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タカさんは今まさに僕が向かっている西希司島の住人である。
島の中じゃ変わり者で有名だ。
もちろん本人はそんな事知るわけはない。
「やっと思い出したか!かっかっか!」
「タカさん何やってるんだいこんなとこで?」
「買い物だ。おめーは何やってんだ。もう卒業したんか?」
「まだあと半年あるよ。今は夏休みだからね。タカさんの方がボケてんじゃん」
「かっかっかっ!座布団一枚!」
「いらん」
船は波に揺られゆっくりと西希司島へと近付いていた。
いても立ってもいられずに、先に出口の所で待つ。
船は旅を終えて小さな港へと到着した。
「じゃあなタカさん」
船から階段を下り、久々の故郷の地に足をつける。
「ただいま…」
そんな僕を祝福するように一陣の風が吹く。
夏だけにその風は決して涼しいものではないが、すごく心地のいい風だった。
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