1話 大暑の暮れに

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一学年十数人程度でだが。故にみんながみんな友達的な勢いなのだ。 だが、高校へ上がるとなるとなかなか大変だ。 島の中に高校なんてあるはずもなく、この島を出ていかなくてはならない。 西希司出身は、いや…西希司に限らず、中学を卒業した奴は大体が高校へ進学する。 もちろん僕もその一人であり、今は高校生活最後の年だ。 バイトの長期休暇をもらって、ようやく故郷の島に帰島する事が出来た。 まぁ、本当は帰ってくるつもりもなかったんだけど。 「未来、デカくなったな」 「えへへ~それはどこの事言ってるの?」 「ば~か!身長に決まってるだろ!」 「だってもう中学三年生だもんよぉ~」 「へぇ~未来もいつの間にか中三か、んじゃあ受験だな」 「うわわっ!お兄ちゃん!嫌なことを思い出させないで!」 「はははっ」 隣を楽しそうに歩く未来。僕の妹。
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