理由

11/18
前へ
/763ページ
次へ
―――――― 如月荘の玄関先で、夕食を作り終わったマナがアクティ達を待っている間に、クルナと共に竹ぼうきで落ち葉を掃いていた。 如月荘の玄関先には四角柱の石が2つ並んで立っていて、アクティ達はそこをゴールライン代わりにしている。 「ねぇマナ、今日は誰が一番で帰ってくるかな?やっぱりアクちん?」 「さぁ、一体誰でしょうね。あら、噂をすれば・・・。」 2人は手を止めて遠くからくる人影に視線を向ける。 人影は次第にアクティ達へと変わっていき、先頭を走っていたアクティとほぼ並走していたサレナが石の間を通り抜けた。 そしてしばらくして、テインが不満そうな表情で石の間を通り抜けた。 「あらあら、皆さんお帰りなさい。」 「ただいま。マナさん、クルナさんっ!」 「おっかえりぃ~!」 アクティとサレナはニコニコ笑っている。 クルナは2人に抱き付いた後、テインの元に駆け寄って、ポケットからクラッカーを出して鳴らした。 「はい、テイちん400連敗達成おめでと~!」 テインはこのルールが始まってから、1度も競争に勝った事がない。 何故ならサレナが必ず邪魔をするからで、今日も帰る途中に崖に蹴り落とされたのだ。 「サレナさん酷いですよ!一回くらい真剣に勝負しましょうよ!」 「さぁ、なんの事かなぁ?あぁ腹減った、早く行こうぜアクティ。」 「うん!」 テインに睨まれているが、知らない振りをしてアクティの背中を押して如月荘に入って行く。 ちなみにアクティはその妨害工作を知らなかった。
/763ページ

最初のコメントを投稿しよう!

678人が本棚に入れています
本棚に追加