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そうして飛び出してきたのは良いものの行く宛もなく、現在はサレナが呼んだラシュビッツにお世話になり、鍛えた力を活用出来て情報を得やすい便利屋をしている訳である。
「ご迷惑かけます、ハクガさん。」
「ホッホッホッ。このローレライとラシュビッツはサレナ様の物。サレナ様が行くと言えばどこへでも行きまわい。有力な情報が見つかると良いですな。」
「はい!ありがとうございますっ!」
ハクガは優しく微笑むと、奥へと姿を消した。
「ごめんね、色々面倒かけちゃって・・・。」
「良いって。アタイも楽しいし、退屈しないしさ!ただ有力な情報がいまだに無いのがキツいな。」
ローレライにきて便利屋を始めたものの、ラシュビッツは空賊として名が知れているために依頼数は1年経った今でもいまだに10件あまり。
しかも、情報に疎く、何も考えていないリグラードのマダムのような依頼主ばかりで進展もない。
元はと言えば、懐かしい気配を感じただけで、何の手掛かりも無いまま捜そうとするほうが無謀な話である。
「はぁ・・・どうしよう、ずっとこのままだったら・・・。」
3人は頭を抱えた。
有力な情報と手掛かり。
その両方が見つかる可能性がある方法。
そんな都合の良い物は簡単には見つからないだろう。
途方に暮れていると、テインは1つの提案を出した。
「バルシナ軍・・・やはり、あそこに協力を得た方が良いのでは?」
それを聞いた2人は顔をしかめた。
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