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「バルシナか・・・どうする、アクティ?」
「・・・。」
問われたアクティは黙ったまま何も言わなかった。
情報がどこよりも集まり、何よりも信頼がおけるバルシナ軍。
当然、有力な情報が見つかる可能性は高いし、なにより、バルシナ軍の懐かしい仲間とも会える。
そうと分かっていても、アクティは首を縦に降らなかった。
そもそも、アクティ達が便利屋などという回りくどい方法をとっているのは、バルシナに迷惑をかけないようにだった。
バルシナ軍は確かに情報が集まるが、その分ラシュビッツよりも世界各地を回っているため忙しい。
そんなバルシナ軍に迷惑をかけないように、便利屋を選んだのだ。
それだけではない。
現バルシナ軍隊長は、前大戦の元凶であるリオン。
自分の本心では無いにしろ、ウェイを殺そうとした張本人。
バルシナ軍に行けば否応なしに出会ってしまい、もし会った時、平常心でいられるかどうか不安だったのだ。
それを知っているからこそ、サレナもテインも口に出さなかったのだが、行き詰まってしまった今、思い当たる方法はそれしかなかった。
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