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「アクティさん、少しは落ち着いて下さいよ。走り回っても早く着きませんよ?」
ローレライの船首から船尾を何度か往復した頃、見ていられなくなかったテインが注意をした。
艦内を走り回ったところでアクティの運動神経ならばクルーの邪魔にならないよう避けれるが、見ていて少し恥ずかしい。
「だって、待ちきれないんだもの。リロさんにマイ、マキさん。リルーシャちゃんも元気かなぁ?」
見るからに目がキラキラしていて、まるで子供のようなはしゃぎようだ。
「しかもサエリアでしょう?もしかしたらパロエちゃんやアルフェ君にもあえるかも知れないでしょ?考えただけで嬉しくなっちゃうよ!」
アクティは気持ちが高まり過ぎてもう誰にも止められない。
またブリッジを飛び出して行ってしまった。
(アクティさん、性格変わったなぁ。)
テインは嬉しそうに微笑む。
アクティは元々、もう少し静かで引っ込み思案な性格だった。
だがサレナと長くいるうちに影響を受けたらしく、サレナほど激しくはないが感情を身体で表すようになったのだ。
我慢して隠そうとする前よりも良くなったと、テインは個人的に思っている。
一方、変えた張本人のサレナはといえば、珍しく椅子に座って何かを真剣に見ており、テインはゆっくりと近づき後ろから覗き込んだ。。
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