古巣

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「アクティさん、完全に囲まれちゃってますよ。どうするんですか?」 3人の中では唯一の常識人であるテインは今の状況が良くないことを分かっている。 常識に疎い2人はそんな事を気にする様子は無く、むしろ楽しそうに城へと歩き出した。 「大丈夫だよ。ナシュナのみんなに会いに来ただけだし。」 「お前はビビリ過ぎなんだよ。いざとなれば全員ブッ飛ばしゃいいだろ。」 「それじゃまずいですってば・・・。」 テインは不安だった。 本当にやばくなった場合、アクティはともかく、サレナは本気でやりそうだからだ。 そもそも、2人は自分達が空賊だという自覚が足りない。 多分、衛兵は空賊が城に喧嘩を売りにきたなどと勘違いしているに違いないと思っていた。 衛兵からはピリピリした雰囲気が漂っていて、盾でバリケードを造ってなんとしても通さないつもりのようだ。
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