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「へぇ、よくもこれだけ人数が戻ったもんだぜ。3年も経てば当然か。」
3年前の戦争で一番の被害を受けたのは、やはりサエリアだった。
現在はもう元通りだが、戦争終了直後の防壁や城下町は半壊。
衛兵も半分以上が亡くなり、城の裏には勇敢な英雄達の名前が彫られた慰霊碑が立っている。
半分以上が亡くなったというのに衛兵の数も元に戻っている事から、半分以上は新兵だということが分かる。
衛兵は国を守る者。
つまりこの光景は、この国の力になりたい者が多いということの現れでもあり、サエリアが好きなアクティは嬉しかった。
「おい貴様らっ!ここは貴様らのような賊が来て良い所ではない!即刻立ち去れ!」
突如、ローレライの前方を封鎖している衛兵から大声が聞こえ、その中で胸に立派な勲章を付けふんぞり返っている隊長らしき衛兵が、バリケードの一歩前で仁王立ちしていた。
明らかに敵意を放っている。
「ほらぁ、怒ってますよ。どうするんですか?」
アクティは不安そうに問うテインに微笑み、何を思ったのか男に向かってスタスタ歩いて行く。
サレナもそれに続く。
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