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「良いじゃねぇかよおっさん。別に悪さしようとして来たんじゃねぇんだからよ。」
「おっさん・・・だと?」
隊長らしき衛兵の眉間にしわが寄り、周りの衛兵からクスクスと笑い声が聞こえてきた。
その笑い声を聞いて更にしわが寄ったと思うと、何かが切れる音がした。
「きっさまらっ!いい加減にしろ!!俺はサエリアの衛兵隊第4班の隊長、グラディ!!まだ23歳だ!!!」
鼓膜が破れそうな程の大声がサエリアに響いた。
衛兵の笑い声が止む。
アクティ達は咄嗟に耳をふさいだ手を退け、苦笑いを浮かべた。
「私と3つ違い・・・。」
「ワリィ。完全に見た目が40代だったから、つい。」
「まだ愚弄するか!!!」
確かにグラディにはただならぬオーラのようなものが漂っていて、顔は堀が深く、髭も蓄えているため百戦錬磨の猛者のような貫禄がある。
だがそれがコンプレックスだったらしく、激しく騒ぎ出してしまった。
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