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――――――
「はい、子リスのリッちゃんです。確かに届けましたよ。」
少女は、リグラードのとある豪邸の玄関先で、化粧のドギツい太めのマダムに子リスを引き渡した。
「あらん、ありがとザマス。目を離すとすぐいなくなっちゃうんザマスから。メ!ザマスよ、メ!ン~マッ!」
子リスを軽く戒めると、ムチムチの太い腕で強く抱きかかえ、紫色の口紅をたっぷり塗ったであろうテカテカの分厚い唇でキスした。
(うわぁ・・・ありゃ逃げ出したくもなるわなぁ・・・。)
(同感です。可哀相に・・・。)
目付きの悪い少女と青年は顔を引きつらせながら、少女の後ろに隠れて小声で話した。
「なんザマス?」
「いや、何でもねぇです!なっ?」
「えっ、えぇ!何でもないです!」
2人が慌てて姿勢を正すのを見て少女はクスクス笑うと、マダムへ向き直る。
「依頼は終わりですね?報酬は指定した口座に振り込んでください。では、私達はこれで。」
少女と青年が一礼をし、3人はリグラードの外に向かって歩き始める。
しかし、数mもいかないうちにマダムに呼び止められた。
「待つザマス。貴女達は報酬を払えば何でもする《便利屋》って聞いたザマスが、ただ者じゃないザマスね?この子は捕獲のプロでも1日はかかるほど手間がかかる子。それを1時間程で・・・。貴方達、一体何者ザマスの?」
その問いに3人は立ち止まって顔を見合わせると振り返り、少女が一歩前に出た。
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