古巣

14/21
前へ
/763ページ
次へ
「マキさんどうしたの?機嫌悪いみたいだったけど・・・。」 マイに問うが、微妙な表情をして苦笑いをするだけ。 他の者も黙っている。 すると、リロ達の後方からある若い男性が姿を現した。 「僕がいるからですよ。」 アクティには、それが誰なのか一瞬分からなかった。 涼しげで優しい印象。 短くてサラサラのストレートヘアー。 そして、珍しい紫色の瞳。 「リオン・・・さん?」 「お久し振りですね。憎むべき相手を忘れてしまったのかと思いましたよ。」 前大戦の首謀者であり、ウェイが救った、現バルシナ軍総隊長、リオン。 3年前の罪滅ぼしとウェイの遺言によってバルシナ軍の総隊長にとなり、現在は立派に隊長職を勤めながら、罪に報いるため寝る間も惜しんで各地の復興に尽力している。 しかし、操られていたとはいえ世界を危機に追いやり、ウェイの命を奪った人物として未だに良く思わない者も多い。 それはバルシナでも例外ではなかった。
/763ページ

最初のコメントを投稿しよう!

678人が本棚に入れています
本棚に追加