理由

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「ただいま、ハクガさん!」 「お帰りなさいませ。今日もご無事でなにより。」 「マナさんかぁ。懐かしいなぁ・・・。クルナさんとミナトさんも元気にしてるかしら?」 3年前の戦いから2年間、アクティ達は強くなるためにマナの所を訪れて修行を受けていた。 その頃、如月荘にはマナの他にクルナとミナトが住んでいて、3人に鍛えてもらっていたのだ。 「あの人らは元気だろ!確かめたくても恐くて行けねぇけど。」 「そうですね。あんな事して、今行ったら確実に殺されますよ。」 行けば殺される。 一体、3人になにがあったのか? その原因の発端は、今から1年前に逆上る。 ―――――― 「さぁテイン殿、そんな動きではすぐ殺られてしまうぞ!」 「うっ、くっ!!」 如月荘の広大な庭で、テインとミナトが武器を手に闘っている。 ミナトの方が優勢だ。 アクティ達は、過去にウェイや夜叉達が受けた修行と同じものを受けて、心身共に凄まじい成長を遂げていた。 修行を開始してから約2年、肉体を鍛える基礎訓練ばかりだったのだが、この日から戦闘訓練と実戦経験を積む為、初めて武器を使った模擬試合をしているのだ。 テインが持っているのは双剣状態のナスカ。 修行を始めて数ヶ月後、ウェイの手紙に書いてあったということで、2丁拳銃ケルベロスと共に送られてきたのだ。 ケルベロスの方はサレナが譲り受けている。 なんとかミナトの攻撃を受けていたテインだったが、体勢が崩れたスキに刀の峰で空高く吹き飛ばされ、受け身をとる余裕も無く頭から落ちた。 ミナトと互角にやり合い、疲れたからと言ってテインと交代し、近くの岩の上に座って眺めていたサレナはそれを見て大爆笑している。 「うむ、吹き飛ばされても武器を放さなくなりましたか。成長しましたな、テイン殿。」 ミナトは、頭を押さえて半べそをかいているテインに近付き、手をさしのべた。
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