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「聖剣は・・・2本じゃないんだぜ、ネクサス。」
ウェイが呟いた一言に反応し、ネクサスはゆっくりと頭上を見る。
そこには光り輝く白い槍を構えたアクティの姿があった。
その槍はレガルソードが変化したもので、アクティの手の小手やブーツは消えていた。
「さようなら魔族の王様。もし貴方に1人でも信じられる仲間がいたら、きっとやられていたのは私達だった。」
「カァッ!!!」
ネクサスは照準をウェイからアクティに変えると、力を一気に集束して放った。
「ホーリーランス・・・。」
満月のような丸く巨大な魔弾がアクティに向かって飛んで行くがアクティは落ち着いており、グッと槍を握るとそれを魔弾に向けて投げた。
レガルソードの変化した白銀の槍は魔弾と衝突するといとも簡単に魔弾を打ち破り、驚くネクサスに吸い寄せられるように向かっていく。
「おのれ・・・・おのれぇぇぇ!!」
“ザクッ・・・・。”
両腕が無く魔弾を使った反動で動けないネクサスに為す術はなく、槍はオメガブレードでつけられた胸の傷口を狙うように貫き地面に刺さった。
すると刺さった部分から光りが溢れ、ネクサスの身体が塵と化していく。
「なんだこれはっ!消えていく・・・我の身体が・・・力が・・・!?」
槍が地面に突きささっているため動けず、腕がないために抜くこともできない。
しばらくは大声を上げて狂ったように暴れていたが、助からない事を悟ると一変して冷静さを取り戻した。
そして倒れているはずのウェイの方へと視線をやると、ウェイはアクティやリオン達に身体を支えられて立ち上がってネクサスをみつめていた。
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