繋がる思い

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「フン・・・嬉しいか?いや、そうだろう。ようやく仇が討てたのだからな。」 「・・・・そうだな。」 「何千年生きてきたが、これが死ぬということか・・・。なかなか心地よいものだな。」 ネクサスはどこか満足げに微笑む。 「死ぬのが心地いい・・・か。さすが魔族の王、と言っておくぜ。」 「フム・・・我を褒めるとは、貴様は実に変わった人間だな。だが、それも良い。」 ネクサスはウェイ達から視線を外し、ベノムブレードが現れた時に壊れた天井から見える蒼天を眺めた。 「仲間・・・か。邪魔なものとしか考えたこともなかったが、我は実際にその力に敗れた。今更だが、羨ましく感じる。」 「なら、生まれ変わってこいよ。」 「なに・・・?」 「一回死んで、生まれ変わってこい。そしたら俺が最初に友達になってやるよ。ただし、良い奴に生まれてきたらな。」 「・・・フン。神や彼の世の存在など弱き人間どもが作りだした“まやかし”にすぎん。」 「・・・・。」 「だが、どうせ消えるのだ。信じてみるのも一興か。」 ネクサスは負けた事により自暴自棄になっているのではなく、生きてきたなかで初めて自分を負かしたウェイ達を認めているからこそ、言うこと聞いてみようと思ったのだった。 ネクサスは顔を下げてもう一度ウェイ達を見ると、アクティは涙を流していた。 「なぜ泣く?」 「貴方がどんな悪でも私達と変わらない1つの生命。私は貴方を忘れません。」 その言葉を言った瞬間、ネクサスの脳裏に1人の女性の姿がおぼろげに映った。 「・・・あの時、奴の言葉を聞き入れていれば、また違った行き方をしていたかも知れんな・・・。」 「え・・・?」 ネクサスは意味深な言葉を残し、ゆっくりと、そして優しい光に包まれるように消えていった。
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