繋がる思い

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「・・・終わったな。」 天に上っていく光を見送るように眺めていたウェイに夜叉が声をかけると小さく頷いた。 「さぁ、帰るか。」 「帰るかって、どうやって?こっちから帰るためのTMはないんでしょ?」 「歩いて行こうぜ。」 「ばか言わないっ!」 ここは険しい山脈の奧の奧にある場所。 歩いて帰れば3日3晩以上は確実にかかるのだ。 「まぁ、なんとかなるさ。サレナやテインも途中で拾ってやらな・・・うっ!?」 出口に歩きだそうと一歩踏み出した瞬間、ウェイは唸り声をあげて倒れた。 それと同時に身体を纏っていたオーラも弾けとぶ。 「ウェイく・・・んっ!!!」 驚いて駈け寄ろうとしたアクティにも異変が起こった。 先ほどよりもひどい激痛が全身を襲い始めたのだ。 鼓動のように一定のテンポで襲ってくる痛みは1回ごとに心臓を引き裂きそうで、頭は砕けちりそうになる。 これこそまさにフェニシゼイションを使った反動であり、死へ誘う痛みだった。 その痛みに耐えきれず、アクティまでも気を失って地面に倒れこんだ。 「ウェイ!アクティ!」 「くっ・・そ・・・。アク・・・・ティ・・。」 ウェイは薄れていく意識のなかで、隣で倒れたアクティに必死に手をのばそうとする。 このまま意識を失えば、何か取り返しのつかない事が起こるような気がしてならなかったのだ。 しかしウェイの思いは届かず、あと指先1つ分という限りなく短い距離を残してウェイの意識は完全に途絶えた。
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