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『アクティ、よく頑張ったよ。君はやりとげた。』
男性の方はアクティに語りかける。
すると、全身麻酔が効いているはずのアクティが目を覚ました。
「ファンク・・・くん?」
『この術は人が作った、人の領域を越えてしまった術。人の力ではどうやっても治す事はできない。』
『けれど、私達ならできる。』
「レガル・・ちゃん?」
『私達がフェニシゼイションを抑える。もう力を貸すことはできなくなるし、色んな後遺症は残るけど、アクティは死ななくて済むから。』
「そんなの・・駄目・・・!」
アクティは必死に首を横に振った。
想定外のことはウェイで慣れているはずの周りの医療班長たちだったが、あまりにも想定外の事が起こり過ぎて固まってしまっている。
『私達は長い間を生きてきた。だから、アクティの中で休ませて?』
『永遠の分かれじゃない。いつかきっと、また会える日が来るから。それまで・・・ね。』
「約束・・・だよ?」
『あぁ。』
『約束っ!』
2人は微笑むとまばゆい光となって消えていく。
それと同時にアクティの手足の小手も光となって消えていき、アクティの胸へ入っていった。
「ありがとう・・・。」
アクティは涙を流しながら小さく呟くと意識を失った。
いつのまにか血圧と脈拍は正常な値まで戻っていた。
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